2013年のいち押しの本たち
前回の記事で、2013年に読んだ本を振り返りました。もうずいぶんと前になってしまいましたね。Twitter文学賞の投票はどれにしようかなぁなんて言ってましたが、発表が3/2ともう目前にせまっているではないですか。改めて私のベストを紹介したいと思います。
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私の投票はこちら。
『ブランコ乗りのサン=テグジュペリ』紅玉いづき(角川書店) #jtb4 少女サーカス。少女の群像劇。冷たくても熱い、眩しくても暗い、不思議な印象。作家の名を襲名しつつも、童話の登場人物のように儚げに見えて、でも、意地と誇りと情熱があって力強い。なんか、うっとりする。
— yutayu_tatayuta (@yutayu_tatayuta) February 8, 2014
この本です。
きんどるでも買えるみたいですね。
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今年はなかなか1冊にしぼりきれず迷っていたのですが、他の候補は、過去の受賞作の傾向からこれらは他の誰かが投票するだろうなという本だったので、私が選ぶのはこれしかない!と、紅玉いづき『ブランコ乗りのサン=テグジュペリ』をおしたい気持ちになったのでした。あと、いままでの流れにもっと新しい広がりを持たせたいという気持ちも勝手に持ってました。
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紅玉いづきは、デビュー作「ミミズクと夜の王」(電撃文庫)を読んでから、ずっと作家買いをしている作家さんです。ようするに、とても好きな作家なんです。最近は「サエズリ図書館のワルツさん」とか「ようこそ古城ホテルへ」とかバリエーション豊かになって活躍しています。
紅玉いづきの描く物語からは、いつも<熱>を感じます。主人公は少女であることが多く、彼女らは決して強い存在ではないけれど、心に抱いた感情を最後まで守り通す強さをみせます。全てを焼き尽くすような炎のような情熱をもちつづけ、物語をひっぱっていくんです。
「ブランコ乗りのサン=テグジュペリ」も存分に持ち味が出ています。初のハードカバーで新しいフィールドに挑戦した本作品を、今回はじめて知った新しい読者に紹介できて、私はとても嬉しいです。
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あと、迷ってたほかの本も、すごい好きです!
投票、森見登美彦「聖なる怠け者の冒険」にするか、それとも高野史緒「ヴェネツィアの恋人」にするか、この「ブランコ乗り~」にするかで迷った。
— yutayu_tatayuta (@yutayu_tatayuta) February 8, 2014
森見登美彦『聖なる怠け者の冒険』は、いまさら説明はほとんどいらないんじゃないかという森見登美彦氏の久しぶりの新刊。奇妙キテレツな人々が京都を舞台に活躍する痛快幻想小説で、もうこれでいいんじゃないかと思わなくもないです。
高野史緒『ヴェネツィアの恋人』は、かつて私が出るたびに買いもとめていたいた<異形コレクション>シリーズ出典の作品を多く含む、幻想怪奇ホラーな作品集。ロシア東欧の雰囲気か幻想的な異国の感覚か異形感満載で、どっぷり浸れる魅力満載です。
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今回発表の模様は、いつものUstream中継のほかに、公開ライブがあるみたいです。
今回はどんな本が受賞するんでしょうね。とても楽しみです。